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13歳のとき黄金の国に行った

本とか映画とか、

見たいけど見たくない、っていうものが結構あります。

作品そのものは非常に素晴らしいんだけど、

結末が悲しかったり、残酷だったり、納得いかなかったり。

海と毒薬とか、八甲田山行軍とか、日空機墜落とか、

ほたるの墓とかさー。

(あれアニメも案外容赦ないけど、原作読むと本当に参ってしまう。現実にいくらでもあった話だと思うと、打ちのめされる)

見たくない……でも、大抵結局見てしまうだけどねー。

見終わると、満足するんだけどこころが波立ちます。

でも、芸術とか文学とかって、

ある種の不快感を与える役目のようなものがあるし、

人も知らず知らずにそれを必要としているんだろうな、と思う。

今日BSつけたらたまたまやっていた

「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」もその類。

途中からだったけど、最後まで観てしまった。

ジャクリーヌ・デュ・プレは実在のチェリストで、

ピアニストで指揮者のダニエル・バレンボイムと結婚して、

まあクラシック界では売れっ子であった人なのだけれども、

私生活はあまり幸福ではなく、そのうえ多発性筋硬化症?を患って

40何歳だかで亡くなっています。

姉と本人の手記を基にして作られた映画で、結構赤裸々。

でも天才の孤独、のようなものが随所に見られて、

それがあまりにも哀しい。

作品の後半、病気が進行し、

車椅子での生活になった彼女が、

彼女の得意なエルガーのチェロ協奏曲のレコードをかけながら、

舞台衣装の黄色いドレスと、チェロを見ている。

そしてやがて泣き出す。

もはや寝たきりになった彼女を見舞った帰り、

車のラジオから訃報を聞く姉と弟。

二人は車を止め、絶句し、そして姉は「oh,god...!」と泣き出す。

幼い頃の彼女と姉が海岸で遊んでいる。

波際に成長した彼女がいてそれを見守っている。

バックに流れる、エルガーのチェロ協奏曲、そのテーマ。

演技があまりにリアルで、映像と音楽があまりに美しくて、

ものすごく胸を締め付けられる。

一応映画の最後に若干のカタルシスがあるんだけど、

それでも救われない気がして、じわじわ涙が出てきます。

そしてこのエルガーのチェロconがまた悲痛感を煽るんだよー…!!

いかにもイギリスっぽい音楽で、美しいけど哀しいテーマを有する曲。

あたしは本当に製作者の意図にまんまとはまる観客ですな…。

あたしはこの映画を何回か観ていて、

デュ・プレのエルガーチェロconCDを買ってしまったのでした。

チェロって人間の声に一番近い楽器なんだそうです。

大きさや形も、他の弦楽器に比べてなんとなく官能的、

と思うのはあたしだけかなー。

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