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メルロン

ともだちから電話がきた。ともだちは泣いている。ともだちは泣きながら、話してくれた。不安や戸惑い、悲しさ。

それは、現在のあたしの状況にも通じることで、でも、その気持ちがすごくよくわかるのに、あたしにはともだちの話を聞くことしかできなくて、なんにも上手なことばをかけてあげることもできなくて、ともだちはありがとうと言ってくれたけど、自分の無力さや到らなさを思う。大好きなともだちだから、余計思う。

そんなものなのだと思う。自分の気持ちさえ真に理解し得ないのに、他人の気持ちをそのまま享受することなど不可能なのだ。だからこそわかったように慰めるなど、非礼な態度だとも。それでも、泣きながらあたしに電話をしてくれたことを思うと(あたしをその涙を共有するものとして選んでくれたのだと思うと)、この伝わらなさがもどかしくて仕方がない。ともだちがこうしてあたしに話してくれたおかげで、あたしこそ慰められ、勇気づけられたのに。

いや、これはやはりエゴイズムだろうか……。

ともだちは頑張り屋で、前向きで、でもとても繊細で、ときどきこんなふうに落ち込むことがあるようだ。神様はいじわるだ。なぜ頑張るひとばかりをこんなに強かに打つのだろう。

ともだちはやがて泣き止んだ。あたしたちは、今度は飲みに行こうと約束して、電話を切った。

人生は不平等だ。

しかし、等しく与えられるものもある。

明日は、望もうと望むまいと誰にでも訪れる。

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