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ランナー、レーベルスタンナー

夢の話。

怖い話・血生臭い話が苦手な方、注意。

沢山の人が列をなしている。私の後ろに、沢山の子どもも、列をなしている。

人々は瀟洒な制服を着た人に管理され、どこかへ連れて行かれる。恐らくは収容所、そして最後はガス室だ。私は息を潜めながらそれを見ている。列の中の一人が密かに私に目配せをする。そう、人々は自身を囮(結果的に犠牲)にして、子どもたちを逃がそうとしてるのだ。私は子どもたちを連れて逃げる役目を与えられている。逃げ遂せたとして、その後どうするのか、それは知らない。ただ、今は逃げなければ。

私は隙を見て、陰になっている部分を走り、子どもたちを誘導し、辺りを警戒する。子どもたちは大勢いる。彼らもまた、無言のまま、懸命に走り、隠れる。子どもの洋服は鮮やかな色が多い。私は誰かがこちらを見ている気がしてならない。指が触れている石の壁は灰色で、また空も灰色である。

「私があちらを見てきましょう」

不意に誰へともなく、制服の美しい女が言った。列をなす大人たちの顔に緊張が走り、そしてまたその中の一人が私に目配せたのを、私は実際には見なかったが、気付いた。

女は美しかったが、恐ろしかった。そもそも私は彼女が以前から嫌いだった。高慢で、美しく、そして恐ろしい女だったから。

私は自分の背後にかくまうようにしている子どもたちを振り向く。みんな一様に無言で硬い表情をしている。まるで人形の群れのようだ。壁の影に私たちは隠れている。あの女の足音を私は聞く。どうしよう、どうしよう、と私は恐怖に駆られてうろうろしながら呟く。それでも子どもたちはうろたえず、よく訓練された犬のように大人しく私の指示を待っているのは、有り難いのか、それとも脅迫的なのか。

次の瞬間私はあの女の前に現れ、声もなく彼女に殴りかかり、彼女の頭を石の壁に、石の床に叩きつけた。女は驚愕の表情を浮かべながら、大した抵抗もせずに私に打ちのめされている。しかし、いくら頭を叩きつけても一向に死ぬ気配はない。私は必死で彼女の頭を壁に、床に叩きつける。彼女の身体は使い古した人形のようにぼろぼろになっていく。血も滲む。なのに、死なない。まだ死なない。

そう、拳銃、銀色の拳銃がある。

思い至って私は腰から拳銃を抜き、石の床に投げ出した女である物体に向けてトリガーを引く。

銃弾を放って、私はその拳銃すら投げ出す。

女は、もはや身体の部位すらまともな繋がり方をしていない。しかし相変わらず制服は瀟洒で、そのかんばせは美しい。

そして女はその身体のまま起き上がり、嫣然と微笑んで、言う。

「死んだかと思った? いいえ、そうじゃないのよ」

私は恐怖のあまり立ち尽くす。私の役目は子どもたちを逃がすこと、逃げ遂せたとしてその後はどうするの? いや、今はとにかく逃げなくては。でも、目の前の女は美しく恐ろしい。

「私、前からあなたのことが気に入らなかったわ」

知っていた。そして、私も。私もあなたのような高慢な女が嫌い。

私の足は後ずさった。そして私は迸る恐怖を吐き出そうと、唇を開こうとした。

そして目が覚めました。

こういう侵略戦争っぽい夢とか、怖いもんに追っかけられて逃げる夢とか、なんとかそれに立ち向かおうとするんだけど相手が全然勢力を弱めない夢とか、わりとよく見ます。今日のはわりと鮮明に覚えていたので、せっかくなので書いてみました。

いつもと雰囲気違いすぎ!そして何よりテンプレートとのギャップがありすぎ!(笑)

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