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本メモ:精神緑地化計画?

思いやりのある人というのは、もっとも人間らしい人間といえるかもしれません。誰もが願うことですが、子どもの心に、思いやりの気持ちはほうっておいても育つわけではないのです。私は思うのですが、これは、だれかがだれかを思いやっている姿を、日ごろから身近にたくさんみる必要があるのです。…

ところが、自分の子どものなかに思いやりを育てるのは自分(*自身の姿)なんだということを、親はあまり意識していないのです。…にもかかわらず、頭のなかではこの子が思いやりのあることに育ってくれないかと思っているのです。…

卒論のための参考文献「子どもへのまなざし」(佐々木正美著、福音館書店)からの引用です。著者は児童精神科医の方で、内容は一般向け(もともと保育園での勉強会での講演をまとめたもの)ではありますが、いわゆる育児マニュアル本みたいな怪しさはなく、この手の本の中では近年のベストセラーで良書とされているようです。(ちなみに手元にある本は初版から4年目、2002年、第24刷でした) 児童向けの出版物の老舗・福音館からの出版ですから、装丁も大変上品です。挿絵はなんと、あの「ぐりとぐら」の山脇百合子さんです。

大体300頁ほどのハードカバーで分量はそこそこあるように見えますが、もともとが講演なので大変読みやすく、読み物としても面白いと思います。語り口もやわらかくて、読んでいて心地好いものがあります。

子どもにまったく関わりがない方でも、近年の社会の問題や傾向、また自分自身のことについても考えさせられる内容かもしれません。あたしも卒論のために読んでいますが、何気ないことばにかなりはっとさせられています。

幸せというのはどういうことなのかということを、私は自分でもときどき考えますが、「幸せということは感謝ができること」であろうと思います。あるいは別の言い方をすれば、感謝の気持ちのない幸福というのはないと思うのです。…

…私なんかの場合には、仕事から帰って「お風呂がわいていますよ」と妻からいわれて「どうもありがとう」とこういう気持ちです。…ささやかなことではあっても、ぜいたくだなというふうに感じ、そういう用意をしておいてくれた妻に感謝する。あるいは感謝できる状況が与えられていることに幸福を感じる、そういうことなのかなと思います。…

…幸せな人、思いやりのある人、感謝のできる人、ほかの人に共感できる人、人の喜びを喜び、人の悲しみに悲しんであげられる、そういう人たちのそばに子どもがいられるということは、大きな幸福でしょう。

ですから、みなさんがそういうふうに、すこしずつ心がける必要があります。日常生活のすごし方、あるいはいろんな物事に直面したときの感じ方などです。そういうふうに感性を豊かにされることは、とてもたいせつなことのように思うのです。

簡単なようで、とてもとても難しいことかもしれません。理想論かもしれません。けれど、それが誰にとっても大切なことは明白です。あたしはそういう人間になりたいと思います。必ず誰かがどこかで繰り返し言っていること、今日はそれがなぜかとてもとても心に沁みたのでした。

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