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密室

今日は買い物と写真撮りを兼ねて出かけてきました。

というか、メインは写真で、普段通らないところも、被写体を探してふらふら行けてしまうものです。仙台は碁盤の目の街なので、自分がどちらの方角を向いているかが分かっていれば、いくら道に詳しくないあたしでも迷わないので、べんりです。

結局たいして枚数撮れなかったけどさ。

しかし、被写体を探していると、きょろきょろしているので、転びそうになったり、ひとにぶつかりそうになったりして結構危ないのね。あたしは多少怪我したっていいのですが、カメラが傷つくことは避けたいです。

歩いたのは帰りで、行きはバスでした。

バスに、40代くらいの女性が乗っていました。デニムのジャケットに、ジーパン。黒く長い髪をピンクのシュシュでポニーテイルにまとめています。垢抜けないけど、きれいなひとだなあというのが第一印象。

彼女の携帯電話がなります。派手な電子音の着うた。車内のひとはみんな彼女の方を見ます。けれども彼女は出ません。音が切れてから、携帯を開き、なにやら見たりしています。メールなのでしょうか。

勿論バスのなかは電源オフが原則です。

そのあと彼女の携帯電話は何度も鳴りました。けれども彼女は慌てもしないし、出ようともしない。それなのに、携帯が鳴っていないときは、しきりに携帯を気にしているようなのです。

ひょっとしたら、すぐ連絡がつく状態になっていなければならないのかもしれない。でもせめてマナーモードにするべきではないのか、あたしは内心イライラし、腹を立て、彼女の対して侮蔑の感情を抱きました。よっぽど声をかけようかと思いましたが、思うだけでした。

自然と彼女ばかりを見てしまいます。よく見ていると、彼女は随分そわそわ、きょろきょろあたりを伺っています。表情はどこか硬く、鋭い目つきをしています。こぎれいな格好をしているけれど、つややかに長い髪の毛先はほとんど枝毛です。そして、携帯の画面を、開くたびに神経質に袖で拭っています。

このひとは、幸せではないのではないか、と思いました。

マナーモードにしないのは、だれかに話しかけてほしかったからかもしれない。

結局彼女に注意することもできずに、彼女より先にあたしはバスを降りました。

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