映画メモ:Guilty or Not guilty?

先週末に風邪をひきました。鼻が詰まりに詰まって、酸欠状態でした。皆さんもご自愛下さい。

先週末はTSUTAYAのVD・DVDレンタルが半額だったので、借りてきました。久しぶりにちゃんと映画を観た気がします…。

●「武士の一分」 2006年

監督:山田洋次 出演:木村拓哉、壇れい他

:山田監督の藤沢周平三部作のしめの作品。監督が山田洋次っていうだけで安心して観られます。案の定楽しめました。

しかし、役者がとても光っている映画だと思います。特に脇役の笹野高史、桃井かおりが非常に良かった。こういうおじさんおばさんいる、とか、何気ない仕草等が自然で、脇役の存在で作品のリアリティが増す。あと、子役の使い方もすごく上手かったなぁ。

木村拓哉も思ったより良かったです。絶望したり激昂したりするシーンとか、決闘シーンが特に良かったです。ただし、主演ドラマでよく見られる本人の癖(間の取り方や、鼻で笑う)が抜けていなかったのがあたしとしては納得いかなかったです。現代劇では問題ないけど、時代劇の主役としてはどうだろうという感じ。ヒロインの壇れいはとにかく、美しく可憐で聡明で、はまり役だなぁと思いました。久しぶりに素敵だなぁと思った女優さんです。

ストーリーはありきたりかもしれませんが、それでも満足できるのはやはり演出の力なのだろうか。ラストも予想通り、お決まりの結末ですが、それでもとても感動的でした(あたしの涙腺がゆるすぎるだけかも)。

それにしても決闘直後とか、切腹とか、ちょっとしか出てこないけど、案外リアルで鮮烈です。あたしは直視できませんでした。山田洋次の藤沢周平三部作はみんな、そういうシーンが必ず出てきますな。それはただ単に観客の興奮を呼ぶためではなくて、日本の武士階級に特有の決闘や切腹、だまし討ちのある種のくだらなさ、空しさ、醜さを伝えるための一つの演出だと感じられます。それは三作品を通して一貫しているカラーのようです。

「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」と続けて観ることをお勧めします。

●「セブン」 1995年

監督:デヴィット・フィンチャー 出演:モーガン・フリーマン、ブラッド・ピット他

:「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、それを追う刑事二人の話です。カテゴリーとしては……ホラー?サスペンス?

のわりには、実はダイレクトな暴力シーンは大変少なく、血みどろが苦手な人も意外と見やすいのではないかと思います。死体はいっぱい出てきますが。(そういう点ではあたしは「武士の一分」の何シーンかの方がよっぽど怖かったです) ただし、それだけに想像力が働く感じです。その想像力が恐怖を膨らませるシーンとして一番怖いのはオープニングクレジット。音といい、映像といい、字体といい、ダイレクトじゃないのに、正視に堪えかねるものでした。必見。

全体として静かなトーンがあり、映像は大変美しく作られていると思います。小道具や大道具も結構凝ってる感じです。

作中ではなぜかずーっと雨が降っています。この雨のうっとおしさが神経にぴりぴり引っかかる感じです。

感想を一言で言うと、独特、です。

連続殺人の方法もひとつひとつがとてもオリジナリティに溢れているし(原案者の精神状態が心配になるほどです)、ストーリー展開も読めない。誇張じゃなく「驚愕の結末」が待ち受けている。不快になる人も多いかもしれません。でも、やっぱり面白かった。引き込まれました。

モーガン・フリーマンが知的で冷静な(でも実は非常に人間的な)老刑事を演じていて、とても素敵でした。この人身長も大きいんですな。ブラピはほぼモーガン・フリーマンに食われてます。ブラピが悪いわけじゃないんだけどね…。でも新任で活躍したくてそわそわしてる若い刑事の雰囲気はよく出ていたと思います。あとラストシーンの演技も良かった。

ブラピの奥さん役でグウィネス・パルトロウが出ています。まだ初々しくて可愛らしい感じ。

アキラカなりしそらのもと

秋なので①

欲しくもない本を買うついでに、小説など買いました。

「傷 慶次郎縁側日記」(北原亞以子 新潮文庫)

隠居した同心を中心にした人間ドラマ、人情もの。いかにもあたしが好きそう。

これ、NHKの時代劇ドラマでやってたんよね。高橋英樹が主演で。脚本が良かったのか、演出が良かったのか、面白かった。物静かで、多くを台詞で語らなくてね。

キャストも良かったなぁ。レギュラーも良かったけど(あたしの好きな奥田瑛二さんがすっごいかっこいい役で出てたんよ…)、一回一回のゲスト出演者が上手い人ばっかりだった。

で、原作あるって知って、気になってたんでした。

読んでみて。うーん、面白いけどドラマには劣る。ドラマが先だったからそう思うのかな?

人物の描き方は細かい。文章が多少分かりにくいところが難。山本周五郎の影響あるように思うのはあたしだけでしょうか;。

秋なので②

食欲が爆発。

昼を食い損ねて学校から帰り、16時頃スーパーのから揚げ弁当買って家でもそもそ食う。牛乳を2杯飲む。菓子箱にあった煎餅を食う。冷蔵庫からチーズを出してきて食う。塩昆布を舐める。まだ足りない気がするが、他に食うものもなく、一回休み。

夕飯。アサリの味噌汁、カレイの塩焼き、ほうれん草のおひたし、茹でオクラとキャベツ、男爵イモのコロッケ、鶏肉とレバーの煮物など完食。

食後にアイスでも、と思ったが、さすがに腹が苦しい。というか、ぽっこりである。ほぼ妊婦である。

でも多分目の前にいろいろ出てきたらまだ食える自信がある。人ってどれくらいまで食物摂取できるんだろう。そういや昔あったよね、胃袋破裂するくらい食物詰め込まれて殺されたっていう事件で始まるサスペンス映画。「セブン」だっけか。

…観たいかも。次は芸術の秋と映画で洒落込んでみますか~。

至高聖女

一昨日?昨日?夜中BSつけたらたまたまやっててつい観ちゃいました。

51fwkaa104l

「ニューシネマパラダイス」「海の上のピアニスト」の監督ジュゼッペ・トルナトーレの「マレーナ」です。

WWⅡ時代のシチリアが舞台で、少年の恋と成長、一人の女性の人生がテーマの非常にこの監督らしい作品。

しかし特筆すべきは主演の「イタリアの宝石」モニカ・ベルッチの美しさです。ほんとにびっくりするほど美しいです。絵画のように、彫刻のように美しいです。均整の取れた物凄い美人顔ですが、非常に印象の残る女優さん。

また女性らしい体つきがとてもセクシーで、美しいながらも「生身の女」感があって、それがまたいい。

モデルさんのようなお人形さん体型の人は「女の子」感がどうしてもぬぐえないですが、モニカ・ベルッチは正に「女」。世に蔓延する「エロなんとか」も彼女の前では「顔洗って出直してらっしゃい」みたいな貫禄です。

ピーチジョンのカバーガールしてたバーレスクダンサー(「出さない」ストリッパーみたいなもんです)のディタ・フォン・ティースと重なるところがあるかなぁなんて思ったりします。Pj_dita_2

これ生身の人間です。絵じゃないんだよ。この写真だとわかりにくいけど、彼女もかなり女性らしいむっちりした”印象”のある体つき。実際はウエストは56センチくらい、コルセットつけると43センチくらいになるらしいんだけどね…。メリハリがあるので余計グラマーに見えるのでしょう。お顔もクラシカルな雰囲気でなんだか魅力的です。女から見ても「惹かれ」るような女性です。

何が言いたいかって言うと、単純にスリムばかりが美しさじゃないってことです。

そりゃ痩せようが太ろうが我々(あたし)は彼女らのような美しさを手に入れることはできはしませんけれども。

でも「さまざま」を知ることは、生きていくうえですごく価値のあるヒントになるということのひとつ、ということを改めて思ったので書いてみました。

ま、運動不足食品摂取過多の言い訳かもしれませんが。

Dr.RED

「こんなことを云っては悪いかもしれませんが、どうしてみんなは放っといてくれなかったんでしょう、放っといてくれれば親子いっしょに死ねたのに、どうして助けようとなんかしたんでしょう、なぜでしょう先生」

登は辛うじて答えた、「人間ならだれだって、こうせずにはいられないだろうよ」

(中略)「生きて苦労するのは見ていられても、死ぬことは放っておけないんでしょうか」おふみは枕の上でゆらゆらとかぶりを振った、「もしあたしたちが助かったとして、そのあとはどうなるんでしょう、これまでのような苦労が、いくらかでも軽くなるんでしょうか、そういう望みが少しでもあったんでしょうか」 (「赤ひげ診療譚」山本周五郎著・新潮文庫)

定期的になんとなく繰り返し読みたくなってしまう、私の愛読書のひとつに山本周五郎の「赤ひげ診療譚」があります。久しぶりに本棚から引っ張り出してきて、改めていいなぁ、と思いながら読みました。

「人間ほど尊く美しく、清らかでたのもしいものはない」と去定は云った、「だがまた人間ほど卑しく汚らわしく、愚鈍で邪悪で貪欲でいやらしいものはない」 (同上)

この矛盾に満ちた言葉が、赤ひげと呼ばれる医者・人物を如実に表しています。この賢人も理想と現実の間で揺れるひとりの人間であり、それでもやはり徒労かもしれない「医術=仁術」に賭ける。ただの綺麗ごとが並ばないところ、でもやはり性善説を肯定「しようと」するこの作品が私はとても好きなのです。

黒澤映画でもおなじみの赤ひげ。はじめて観たとき、衝撃的に面白くて驚いたのでした。白黒でもこんなに面白い映画があるんだ、と。

何年か前、正月ドラマでリメイクもやってましたっけ。鈴木杏ちゃんの演技力に圧倒されたのもこの作品です。まだ「女優」というよりは「子役」と呼べるような年齢だったと思います。それなのに、ものすごい存在感と演技力でした。(のちに蜷川演出の「ロミオとジュリエット」に出ていて「ああやっぱり」と思いましたとも!)

で、原作の方です。これまた山本周五郎は「厳しい現実」を容赦なく書く作家です。ところが強烈なカタルシスはないのに、読後感がものすごく爽やかで、心が温まるような気持ちになるので不思議です。多少文体は古臭くて読みにくいかも知れないけど、「最近どうも心が鈍ってるなぁ」という方にお薦めします。

Killer queen

今日、BSにて所謂2時間サスペンスドラマの再放送を見るともなく見ていた。脚本家は井上由美子。はて、なんだか見たことのある名前だなと思う。

ドラマは遺言書作成を主している弁護士が主人公で、しかし、2時間ドラマにありがちな安っぽい推理物ではなく、事件より登場人物の心の描写を中心に描き出され、非常に骨太な印象だった。観てよかったなという感想である。(まぁ多少くさかったり都合がよかったりはするけど、2時間ものだから制限もあるだろう、そこは目をつぶってもよいくらいの出来)

しかし、この雰囲気、やっぱりなんとなく覚えのある感じ……

調べてみたらすぐに分かった。脚本家井上由美子は有名・売れっ子であった。そりゃ名前に覚えがあって当然なのだった。

だって、主な作品に「ひまわり」「きらきらひかる」「GOOD LUCK!」「白い巨塔」「マチベン」「14歳の母」など、そうそうたる作品が並んでるじゃねーか。そうか、この感じは「マチベン」に似てたんだな。「ひまわり」といい「白い巨塔」といい、弁護士・裁判物得意な作家なのかも。

そしてなんてったって、マイリスペクトの名を冠した向田邦子賞の受賞者である。あたし、それだけで好きになれそうですよ。

井上由美子の書く「社会派」作品は、テーマが非常に重く、一般的な倫理観で解決できないものが多い。葛藤があり、矛盾があり、どうしようもなさがある。そういう事実を突きつけるような作風である。ずしっとする。ずきっとくる。放り出されるような、叩き落されるような、鈍器で殴られたような、そんな気分になる。

そして、それが「表現」に求められる一つの側面であることを、認識させられるのだ。避けて通りたい、目を背けたい、それをあえて多くの人の目に曝されるように「表現」すること。勇気を要することだが、それは絶対に必要なことであるのだと、言葉は大袈裟だが、そんな風に思う。

ま、かたい文章になったけど、筆でメシ食ってるひとって凄いね、マイリスペクトがまた増えましたよとそういうことです。

あたしも日常を鋭い切り口で描けるような文章センスが欲しい。それに加えてユーモアのセンスもね。そしたらブログももうちょっと面白みが増すのにねぇ(^ ^;)

wizard

「魔女の宅急便」久しぶりに観ました。

一体どうしてなのか、号泣とは行かずとも、じわっと泣ける場面がいっぱいあって、自分でも驚く。昔(幼稚園とか小学校の頃)は、宮崎アニメの中ではあまり評価(笑)が高くない映画だったんだけどなー、とても面白かったです。宮崎アニメのいいところは、年齢相応に面白さや視点が変わるところですね。画面も美しかった。

以下箇条書きで印象に残った箇所を。

・キキの実家

庭がすごーく素敵。草木や花が非常に美しいです。家の中にドライフラワーのようなものが沢山あるので、多分お母さんの薬の原料にもなっているんでしょうね。

キキの部屋は、13歳の女の子の年相応に可愛らしい。少女らしい夢を膨らませたようなこの部屋は、赤毛のアンを意識していることが今回発見できました。間取りやインテリアがそっくり!

お父さんが「今夜キキが発つことになりました」といろんな人に電話する場面が、魔女の独り立ちというイベントの重要性を語っています。

・天気予報大外れ

雨の夜の描写が細かくて驚いた。列車のライトに照らされる雨粒とか。

・海の見える街

いかにもヨーロッパを感じさせる街並みは、キキと同じように憧れと好意を(そして時に劣等感を)あたしにも感じさせる。この都会っぽさは宮崎アニメには珍しい気がします。

トンボと一緒に自転車に乗って道路を海岸へ走るシーンは、本当に海の匂いがするようでした。この波の描き方!

・グーチョキパン店

おソノさん夫婦だいすき!! からっとした気風のいいおかみさんと無口でユーモアのあるマッチョな旦那の組み合わせ、いいですねー。

キキが住むことになる部屋は、陰部屋の暗さと優しい陽の入り方が絶妙で、様々なキキの心情やストーリーの雰囲気が効果的に表れるなぁと思います。

・青い屋根の家の奥様

おソノさん=戸田恵子もそうですが、奥様=加藤治子もナイスキャストというしかないです。キキにケーキを焼いてくれて、涙ぐむキキに「キーキ、」と呼びかける声。ナチュラルすぎて、画を声に当ててるのかと思うくらいである。この場面だいすき。

・キキの心情

この年頃らしくくるくる変わる心情が、すごくよく分かります。見栄張ったり、強がったり、しゃちほこばったり、弱音を吐いたり。キキのプライドや劣等感は、きっとあたしにもあったものなのだろうと思う。正直じれったいし、よくわからなかったりするけど、思春期ってそういうものだし、特に知らない場所で自活するというキキはこれくらい頑張っていて当然なのだと思う。

・絵描きのウルスラ

キキが彼女の部屋に泊まりに行って、彼女と話をする場面も好きです。自分の才能や生き方(身の立て方)について話をしているところ。魔女も絵描きも、ごく普通の女の子(人間)として語られるところがとっても好き。それは作品のスタンスでもありますが。女の子には、こういう夜があるのです。と言うと男の子に叱られそうなんですが。それにしても高山みなみはいい演者だなぁ…

・魔女の血

最後、キキが飛ぶ力を取り戻しても、ジジの言葉がわからないまま、という結末は寂しいけど、だけど、彼女の未来の可能性、きらきらの中にも悩みや苦労がある、そんなものを感じさせて好ましい。

・ルージュの伝言とやさしさに包まれたなら

ユーミンはそれほど好きでもないんだが、どっちもとっても好きな歌。映画と雰囲気がよく合っているなぁと思いました。「やさしさに包まれたなら」はカラオケでよく歌います。一昨日も歌ったばかりでした。

垣間見る

昨今のあたしって、

ドキュメンタリーやエッセイの方が、

ドラマや小説よりよっぽど好きみたい。

なんでなんだろう。

NHKBSで「わたしが子どもだったとき」というドキュメンタリー番組が不定期でやってる。

各界の著名人が子どもだった頃のことを、

本人の談話と再現ドラマで振り返る番組だ。

これが民放でやってる安っぽい再現ドラマとは全く違った、

リアルさや静けさをもったもので、

その多くを語らない、視聴者の想像が挟む余地がある感じがとても好き。

第一回目が写真家のアラーキーで、これがすんごく面白かった。

題材に選んだひともいいけど、再現ドラマの出来も「ドキュメンタリー」していて、

ほんとにいい出来だったなぁ…

基本的にNHKでやってるドキュメンタリーは余計な語りや効果がなく、

煩くない。

その空気感に浸るのは、意外と恐怖と緊張感を伴うものだったりする。

リアルかつドラマティック。

これはマイリスペクト向田邦子の作品に通じるものがあるな。

今気付いた。

かわいいひと

Photo_67今日テレビを見てましたならば、

偶然浅丘ルリ子さんがちょっとだけ出られてまして。

…なーんて、キュートなの!!

とちょっと感激してしまいました。

アイライン強調のメイクとクラシカルなショートボブ。

黒を基調にしたお召し物にはキラキラと素敵なジュエリー。

映画「シカゴ」のキャサリン・ゼタ・ジョーンズみたいな雰囲気。

(これって「セクシーボイスアンドロボ」の衣装メイクかな?)

またそれが似合うんですよ、ルリ子さまは。

以前はキツイひと、いかにも女優!みたいなイメージがありましたが、

ご本人は意外と家庭的で穏やかな方みたいです。

でも話し方とかすっごく可愛らしいの。女の子って感じ。

お年は召してらっしゃるから、メイクなんか結構ばっちりしてるけど、

若い頃とか化粧っ気なくてもほんとにおめめぱっちりで、

でもちょっと歯並びが乱れてるところがまた可愛くって。華奢で。

物凄い美女っていうんじゃないけど、お人形さんみたい。

「男はつらいよ」のリリーさんはハマリ役ですよね~。ほんとキュート。

リリーさんの回は、いっつも切ないものが胸にぐっと込み上げてくる。

寅さんとリリーさんはよくすれ違って、周りのひとも二人のことがすごく好きだから、

なんとも言えずもの悲しいのです。

でも、結末はいつもあったかい。

それは、役者さん自身の情の深さがなければ感じられないことなんだろうなぁ。

Photo_66 最近こういうやらしくない色気のある

可愛らしい女優さんってあんまりいない気がする。

みんな清楚で、甘やかな可愛らしさはあるんだけど。

改めて、「女優」浅丘ルリ子は稀有な存在だと

認識致しました。

子供は子供だった頃

ヴィム・ヴェンダース監督「ベルリン・天使の詩」。Photo_59 

初めて観たときに、あまりの美しさに恍惚となった映像作品です。

それが昨日BSでやっていたので、思わず観てしまった。

相変わらず、美しい。

天使たちが人間に寄り添って、

その心の声を聴くシーンは本当に胸をぎゅっと掴まれる気持ちになる。

天使はそれだけしかできないの。

その人の生活を良い方にもっていくことは、できない。

そしてある日、

サーカスのブランコ乗りに恋をした天使は、天使であることを捨てるのです。

……というおはなし。現代のファンタジーです。

ストーリーはゆったりと流れて、しかも全然説明的じゃないので、

苦手な人は多いでしょうけど。

でも、すごくすごく、美しいのです。

劇中に度々挿入される詩も映画の印象にあっているし、

天使の意匠もオリジナリティがあるし、

コロンボ刑事ことピーター・フォークが本人役を演じているのも面白いです。

(ちなみにこの映画のアメリカ版リメイクが「シティ・オブ・エンジェル」なんだそうな。

観てないけど。へー。)

エンドロールの前に「to be continue…」と出るのがまた印象的。

実はこれには「時の翼に乗って」という続編があるのです。

前、「ベルリン~」を観る前に本で読んだことがあるけど、詳しい内容忘れちゃった。

観たいけど、レンタルショップに置いてあるんでしょうかね…。

22.5

最近かかとにヒビが入ってきた。

まだ痛かったり、がさがさになったりはしてないけど、

恐らく将来ストッキングを破ることになるであろう、その兆候に間違いない。

我が家の(あたしを除く)女たちは皆かかとのがさがさと戦ってきた。

今まであたしにはその気配が微塵もなく、

羨望と憎悪(言いすぎ)の対象となっていたものだが、

嗚呼、遂にあたしにもそれがやってきたのだ……!!

今度ボディショップ行ったら、かかとケアグッズ買おう。

何事も早めの対処が事態の悪化を防ぐのである。ウム。

向田邦子の「阿修羅のごとく」でもかかとに関する場面があった。

うろ覚えなんだけど、

鏡割りをして、割った餅をおかきにしようと揚げている四姉妹たち。

「鏡割りをすると、お母さんのかかとを思い出す」

など笑いながら話していると、長女だったか四女だったかが、

「女の人がかかとの手入れしてるかどうかで、夫婦仲が分かるんだって。してないと、ご無沙汰らしいよ」

次女(既婚、しかし夫に不倫疑惑)がへえー、とか言いながら、

密かに足をもじもじさせるショットが次に来る。

すごく可笑しいんだけど、大人の冗談でちょっと粋。

実はこの場面は複線で、その後しばらくして、

次女のかかとのがさがさ故に伝染を起こしているストッキングを

発見した夫(実際不倫してるのだ、この夫)が、

不意にそこから手を入れてストッキングびりびり破りながら

ベッドシーンっぽくなる場面がある。戸惑いつつ身を任せる妻。

これおおっぴらにいやらしくないように上手くカット振り分けてあるんだけど、

すごーく官能的でどきどきする。

ほんと、こういう「匂わせる」「連想させる」「何気ない」「ありうる」「ごく自然」

という描き方が向田邦子は物凄く上手い。

本当に稀有な才能だと思う。

「阿修羅のごとく」は近年映画化もされているけど、

昔NHKで連続ドラマとしてやってたやつの方が断然面白いよ!

見て損はありません。太鼓判押します。